政治の世界で目立つ「ダメリーダー」の教育効果
朝のニュース番組から,世界の政治の動きに関する報道が途切れることがないのは,
主にTさんとKさんとAさんのおかげである。
発言が二転三転し,「ああ,これがホンネなんだな」とだれでにもわかってしまう指導者もいれば,
一貫して「自分のせいではない」と言い張る指導者もいれば,
「弱い犬ほどよく・・・」という諺がピッタリの指導者もいる。
3人の指導者には,他のだれかが代わりにやっていけるわけではない,という無類の強さを持っているのが共通点である。
その強さの源泉は,失敗したことにあるのではなく,実績そのものにある,というリーダーもいる。
報道では耳にできないが,Aさんがどんな仕事をしているかは,HPでしっかり報告されているから,どこかのニュース番組ではぜひ取り上げてほしい。何も,これを取り上げたから,「体制べったり」というわけではない。報道は,やはり偏りが大きすぎて,「何かもっと大事なニュースが報じられていないのでは」という危惧を国民は抱いていると思われる。
さて,3人のうちの2人は,「支持率」と「不支持率」が示されながら批判されているので,
ほとんど「メッタ撃ち」の状態にある。
「支持率100%」の指導者の行き先は,歴史を学んでいるほとんどの人が知っているのだが,
多くの人は「とばっちりが来ないか」という心配をしているわけである。
テレビのニュース報道の特色は,「情報を送り出す側と,情報を受け取る側の双方が正義の側」という「印象操作」をしっかりと行っていることにある。
「悪」の部分をクローズアップすることで,「そういう人たちが身近にいないでほしい」という欲求を高めてくれる。
超優秀な反面教師をつとめているのは,もちろんリーダーだけではないが。
だれかのおかげで,部下を恫喝したり,生徒を怒鳴ったりできる上司や教師は激減するだろう。
その場面を録音されていて,ネットに流されでもしたら・・・。
これはダメなことですよね,という確認があっという間に何千,何万という人たちを対象にしてできてしまう時代である。テレビではさらにケタが違う(だからいまだに日本ではテレビ広告が消えない)。
では,「どうすればよいのか」という答えは,どこかに示されているのだろうか。
リーダーのその言葉ではダメなら,他の言葉があるのか。
Tさんの場合は,どうやらその「他の言葉」を言わされた後に,ホンネが出てしまったようなのだが・・・。
Aさんの場合は,「自分が指示したことはない」というのは正しい言葉かもしれないのだが,「指示した」「指示しない」という事実が大事な国ではないことは,自分自身が一番よくわかっているはずである。
「自分が考えていることがすべて正しいと認識する」反知性主義の動きを止める力はどこにあるのだろう。
このまま「正義の味方」のつもりでいると,「正義の見方」がわからなくなってしまうのではないか。
ある政党からは,どんどん人が抜けていっている。
こういう政党ほど,「再起不能」という言葉がぴったりくる党はないように思われる。
大小,様々な組織の「危機」を気楽に眺めているうちに,自分の首を自分でしめていた,なんてことにならないよう,足もとの危機に注意を払うべきことを胸に刻んでおきたい。
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