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よい質問が出なければ,よい発表とは言えない

 疑問だらけの発表では聞き手もどうしようもないが,疑問も一切湧かず,質問が出せない発表には意味はない。

 拙い内容であっても,よい質問を引き出せた発表は,よい発表と判断する。

 こういう判断を多くの人や客観的な「評価・評定」に反映することは難しいかもしれないが,「成長」のこつはここにある。

 先日行われた学会の「自由発表」(パネルディスカッション)のような場で,私は将来性のある「学生」「教員」かどうかを確かめる「実験」を行った。

 それは,「自分自身の課題をふり返るゆとりがあるかないか」を評価するためである。

 教員より,学生の方に将来性を感じたのは,私が「良い点を評価するコメント」を多めに出したせいかもしれないが,「人から学ぼうとする姿勢」「人の話を聞く姿勢」が歳や研究を重ねるごとに薄れていく傾向があり,特に大学の教員は「人の話を聞かない」ことに特徴があって,そういう教員に育てられた学生は若いうちに「学習能力」を失う危険性があるので,「被害状況を確かめたかった」という意図もあった。

 一番将来性を感じたのは,内容はほとんどゼロであるにもかかわらず,発表の場に参加していた人だった。

 民間の方とコラボで研究をしているこの方は,教育現場の問題に正面から取り組んでいる。

 大学の研究者の多くは,教育現場をろくにしらないから,教科書の執筆を任されると,ほとんど読めないか全く興味を引き出せないような原稿を出してしまう。学問的に「正しい」ことを書くのは当然だが,「教科書」をどういう子どもが読むのか,どういうレベルの先生が使うのかがわかっていない。

 こういう教科書を読んでも,子どもが何の反応も示さないことに,おそらくは何の疑問も感じていないだろう。

 大学の講義の途中で,矢継ぎ早に質問が繰り出され,追い詰められて答えられなくなる,という経験をしたセンセイはどのくらいいるのだろう。ゼミで学生に対してそういう「いじめ」をしている人はいるかもしれないが。

 質問が出てこない講義に疑問を感じることができるセンセイはどのくらいいるのだろう。

 「この本を読めば全部書いてあるよ」なんていう態度がとれてしまう人が,なぜ生まれてしまうのだろう。

 「教育とは偉い人が訳の分かっていない連中に,情報を垂れ流してあげる仕事」という捉え方が根本にあるのではないか。

 そういう人が消えない限り,教育を「改革」することはできないだろう。

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  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
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  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
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  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より