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苦しいときほど笑って「感情の錯覚」を生み出す

 体罰防止のための研修で,「アンガーマネジメント」を習得できている教員もたくさんいると思われる。

 私の場合は,高校,大学時代,野球というスポーツで,「リラックス」より「怒り」による集中力の向上を個人的には武器にしていたので,ピンチのときや敵に逆転されたときにニヤニヤしている選手を見ると非常にイライラしてしまう。

 しかし,逆境のときの「にやけ」が,しっかりとした心理学の理論に基づく「冷静になる手段」であることも知っておくべきだろう。高校野球では,よく打たれたピッチャーが「笑顔」をつくっていたことに,「感銘」を受けている。

 大坂なおみ選手が実践していた「我慢」・・・というより,もっと前向きなアンガーマネジメントに注目した記者も多かったようだ。優れた解説者なら見逃すことのないパフォーマンスがあった。

 自分がミスしたとき,テニスのシングルスのようなスポーツでは,損するのは自分一人である。野球やサッカーのようなスポーツでは,味方の選手全員に迷惑をかけるわけだから,オーバーに悔しがるのは「恥ずかしい」行為であるが,子どものまま大人になってしまった選手なら仕方がない。

 セリーナ・ウィリアムズ選手がしたような,ラケットを破壊する行為は,「怒り」の感情をわかりやすくすべての人に行動で示すもので,それによってさらに「怒り」の感情が増し,おそらくは「我を忘れる」快感に浸れる行為なのだろう。嫌なことは忘れたい。「怒り狂う」ことによって,「ミス」の重さを忘れ去る。「怒り」は「不快」な状況を通り越すと,「快感」に変わるのであろうことは,クレーマー対応をしたことがある人ならわかってくれるかもしれない。

 体罰をしたり暴言を吐いたりしている人間は,実は「快感に浸っている」と理解してもかまわないだろう。

 アンガーマネジメントの研修は,体罰防止だけではなく,生活指導の大失敗を防ぐことにも役立つ。

 指導力不足の教員は,自分が気に入らない特定の生徒の気に入らない行動ばかりにいつも目が行き,他の生徒の同じような行動には目もくれないで,「不公平」な指導をついつい行い,生徒をキレさせる。「私はお前(だけ)が憎い」という感情がストレートに生徒に伝わってしまえば,もう指導も何もない。荒れる学校には,こうしたタイプの,アンガーマネジメントが必要な教員が複数いるものである。こういう学校では,指導力のある教員がすべての「尻ぬぐい」をさせられるわけで,「働き方改革」のためにもまずは教員の資質能力の向上が最優先である。これは本当に「笑えない」話である。

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  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
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    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
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  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より