教科独自の見方・考え方の意味や意義がわかるためには
その内容,私の教科でやるから,あなたの教科ではやらなくてよい,というものは,現実問題として滅多にない。
教科は,内容によって切り分けられている。
だから,教科独自の見方・考え方があると言ってみたところで,内容が独自なのだから,どんな扱い方をしようが,その教科を学んだことになってしまう。
ハンガリーの首都ブダペストで開かれた世界科学会議には,世界中から2000人以上の科学者,国会議員,ジャーナリストなどが集まった。1999年のことである。
宣言文では,21世紀の科学のありかたとして,次の4つの柱が謳われたという。
>知識のための科学
>平和のための科学
>持続可能な発展のための科学
>社会のなかの,社会のための科学
最初の「知識のための科学」という柱は,タイトルだけでは何だかよくわからないが,内容を読むと奥が深い。
理科教育に携わっている人には常識かもしれないが,実際の理科教育が,この世界宣言を念頭に科学教育に取り組んでいるのだろうか。
文科省のHPにはきちんと示されているが,科学技術・学術審議会の参考資料の扱いだった。
子どもたちにとって,別々の内容を別々の教科で学ぶのは当たり前のことであるが,
同じ内容を教科ごとに別々のアプローチから学ぶことで,内容についての理解が深まるだけでなく,各教科独自の見方・考え方の有効性に気づき,それらを活用できるようにするという仕組みが必要なのではないか。
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