教員の「多忙さ」への遠慮がもたらす「多忙さ」
教員は,どんなに忙しくても,傍から(子どもや親から)「忙しそう」と思われないようにする努力が必要な職業である。
学校=ブラックという印象によって,「先生は忙しい」という固定観念が定着しつつあるが,「忙しい」と思う暇があり,そういうオーラを発している教員には,子どもも保護者も相談しにくいだろう。
「忙しいのにすみません」と断って相談を持ちかけるのは通常の社会人の礼儀だろうが,教員の立場からすると,子どもや保護者自身の深刻な悩み事の相談については,遠慮は無用である。
夜の10時を過ぎて自宅に電話をかけてしまうのはどうかと思うが,「相談するタイミングで悩む」という余計な悩み事を増やしているうちに,問題が深刻化してしまうよりは,早めに相談してもらって,解決への糸口を共に考える時間が増えることの方が大事である。
警察署や消防署に「今,忙しそうだから,事故が起きたがもう少し待ってから電話しよう」などと思う人はいない。
素早い情報の共有や初動が大事なのは,教育も同じである。
教員にとって必要な「本物のゆとり」とは何か。
教育という仕事ならではの特徴を知っておきたい。
ブラックになりやすい現場とは,必要な情報がすぐに入ってこない=優先順位がわかっていない人間が多いところである。
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