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「役に立つ知識」とは何か?

 「役に立つ知識」という言葉の意味の捉え方には,様々な「深さ」がある。

 「役に立つ知識」などという言い方自体が,とてつもなく「浅い」ものの考え方に基づいており,「浅い知識」のことを指している,という見方もできる。

 大切なのは,知識を駆使する人間の受け止め方の方だから,

 「浅い知識を求める人間」にとっては,「すぐに役に立つ情報」が,

 「深い知識を求める人間」にとっては,「単独では生かせないかもしれないが,他の知識と結びついたりして,やがてじわじわとその意味や意義が実感でき,後で役に立ったと思えるようなこと」が求められる。

 最初から「深い知識」を身に付けさせようとしている人がいるが,山頂にヘリコプターでおろされても,「登山」の意味や意義はわからない,というイメージをもっていてほしい。

 ノーベル賞をとるような優れた研究,画期的な発見・発明が,すぐに何かの役に立つことを想定して行われているわけではないことを,多くの人は知っているはずである。

 だから,大学がどのような教育をすべきなのか,大学の存在の意味や意義は何なのか,役所をはじめ,かつては多くの人が知っていたはずなのである。

 一部には,そういう意味や意義を持ちえない大学があることもわかる。

 また,大学がそういう意味や意義を持ちにくくなっているという現実もわかる。

 「小学校程度やそれ以下の大学の授業」が現実にあることを知ると,そもそも「大学」という一単語である教育機関をくくることが絶対的に不可能な時代になっていることを前提として認識しておかなければならない。

 日本の科学研究,学術研究が危機に瀕していることは周知の事実だと思われるが,

 その原因ははっきりしている。

 「研究の目的」と,あらかじめその「成果」がわかっていることにしか大きな予算がつかない現実である。

 「成果」がわかっていることだから,安心してお金が出せる,というのは果たして「研究」のための予算なのだろうか?

 「成果」がわかっているのだから,自分のところでしっかり予算をやりくりして,そこにお金を使わせるように「指導」するのが役所の役割なのであって,「成果」がわかっている場所にお金を出す,という仕組みがあるから,本当は「成果」が出せなかった,というときに,予算獲得のための「改竄」「捏造」が横行するのである。

 限られた予算を上手く使えた大学に,より多くのチャンスを与える仕組みをつくる方が,大学の質を向上させる効果が高いのではないか。

 役所の考える「役に立つ知識」が,「想定される成果」という程度のものだから,日本の大学の質が向上しないのである。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より