危機管理「術」の利用は「悪」のイメージを固定化する
報道の仕事を小中学生が学ぶと,
「大きな事件が小さな扱いになること」
「小さな事件が大きな扱いになること」
があるのがわかる。
何をどの程度の重みで報道するかを決めるのは,各報道機関である。
たいした事件がないときは,たいした問題でもないことを,延々とコメントでつないで時間を埋める。
一方,大きな事件があるときは,同程度に重い事件が他にあっても,「世間の関心がより高い方」を選び,思いっきり時間を割いて報道する場合がある。ときどき,「なぜこの事件を扱う時間がこんなに短いんだ」という苦情が寄せられることがあるという。利害関係者が多い民放では,いろいろと気を遣う必要があるのだろう。日本の民放の特色は,「お金を払っている人」が視聴者ではなくスポンサー企業であること。だから「報道できない事件」もある。
今,大事な会見を,「どさくさに紛れて実施した」と見られている人たちがいる。印象がとても悪い。
「注目してほしくない理由があるのではないか」と勘ぐられてしまう。
危機管理の専門家は,もし「注目してほしくない理由」がある場合,
「どちらのダメージがより小さくてすむか」を考えて,対策を講じるのだろう。
「あいつら,怪しいぞ」と疑われたくなければ,会見の時期をずらすかもしれない。
しかし,すでに,「完全に怪しい」と思われてしまっている場合は,
堂々と「どさくさに紛れる」道を選択してしまうかもしれない。
危機管理「術」がまるでない大学も問題だが,
危機管理「術」を「悪用」していると見られる大学も問題である。
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