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「感化力」を甘く見てはいけない

 人間の「感化力」に鈍感になってはいけない。

 たとえば勝利至上主義の監督がいるチームでは,監督からの指示がなくても,選手が進んで「勝つための反則」を犯す可能性がある。勝利は,「今のこの試合」とは限らない。もっと大切な試合に勝つために,「今この試合」でできることをやってしまうかもしれない。

 ある教師が,他のある教師を軽蔑しているとする。

 侮蔑する言葉を直接投げかけることはなくても,会話や態度でわかるものである。

 そういう態度は簡単に子どもたちに「伝染」する。

 中学校1年生くらいなら,まだ素直だから,センセイはあの先生が嫌いなの?と質問してきたりする。

 ドッキリしたら,「終わり」である。何も答えなくても,子どもたちには伝わってしまう。

 私にも,軽蔑している教師はいる。しかし,それを子どもに気づかれてはならない。

 だから,気づかれる前に,何かのきっかけがあるときに,わざとらしくないように,自分はその先生のことを大切にしている理由を生徒に話す。

 人間は不思議なもので,「言った言葉」に沿うような行動を自然にとってしまうものである。

 だから,「目標」を掲げていつも目に見えるところに置いておく,という習慣をもっている人がいる。

 クラス目標や学年目標は,常に教室の正面に飾ってある,という学校も多いだろう。 

 本を読むことが嫌いか,そもそも本を読んでいない教師の言葉は,会話をするとわかる。

 自分の言葉で語れる教師か,本などをもとにした他人の言葉でしか語れない教師かも,会話をするとわかる。

 私は長い教師生活の中で,生活指導の機会に恵まれてきたので,記者会見の監督とコーチの関係も痛いほどよくわかる。

 会見場に「置き去り」にされたコーチに,ぜひ単独会見を開いてもらい,真実を語ってほしい。

 若い人の「失敗」の責任を負うのが,監督であり,経営者である。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より