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「すぐ役に立つ」話にしか耳を傾けない人間が教育の場に立つ危険

 教師というのは,別にたいした工夫もなく,人間的な魅力もなく,教養も感じられず,内容の乏しい話をしても,相手となる子どもがきちんと耳を傾けてくれるという珍しい職種の人間のことである。しかも,自分ではなく,他人のかかわりやて子ども自身の力によって成長したのに,「自分のおかげで育った」と勘違いしやすい職種でもある。

 もちろん,とても工夫した表現法で,魅力的な人間性を前面に出し,すばらしい内容の話を子どもに伝えている教師もいる。そういう教師に陥ってほしくない悪癖が一つある。それは,「すぐに役に立つことを教えてあげるのが子どものためだ」とする「勘違い」を続けることである。

 「すぐに役に立つ」情報は,世の中にあふれている。「耳よりな情報」という宣伝文句に人は弱い。

 人間の弱さは,低いところ向かって流れようとする水と同じである。

 同調性圧力の高い日本人は,こういう流れに逆らうこともできず,ただひたすら「集団」で堕ちていく。

 学校に存在意義があるとすれば,そういう「易きに流されない強さ」を身に付けさせることにある。

 時間通りに決められたことを淡々と学ばせられる学校では,「学びたいことを学ぶ」チャンスは少ない。

 細分化が極められた内容を,別々の目標の実現に向けて,個別に習得されられる「教科学習」が大部分を占める学校教育で,「すぐに役に立つ」ものを身に付けることは不可能なはずである。

 「よりよく生きるためにはどうすればよいか」という哲学を中核としたカリキュラムをもつ中学校など,存在しにくいだろう。

 だから,教師たちは,試験で高い得点のとり方を教えるという程度の「役に立つ情報」の提供に熱心である。

 しかし,子どもたちのいくらかは,「それがいかに役に立たないか」を完全に理解してしまっている。

 大人たちが,「超優秀な人材が少数必要なのであって,その他大勢は,従順で,人に迷惑をかけない道徳的な行動だけ心がけてくれていればいい」という方針の教育に舵を切ったことを知ってしまっている。

 学校は開き直るしかない。

 「私たちはどのように生きていったらいいのか」「そのために,学校はどうあるべきなのか」を自分の頭で考えられる生徒を育てるために必要な教師像とはどのようなものだろう。

 小手先のスキルで子どもを操作し続けているうちに何が失われていくのかを見極めながら,それでも操作せざるを得ない苦しさに耐えられる人に教師になってほしい。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より