「一呼吸おく」ことの大切さ
まだ仏教関係の本以外で,「アンガ-マネジメント」に関するものを読んだことはないが,教育書を読んだり読み返したりすると,特に生活指導に関する話題があれば,「アンガ-マネジメント」の手法に自然とふれられていることに気づく。
読書編で紹介した『問い続ける教師』(学事出版)では,苫野一徳さんがモンテッソーリのエピソードを紹介した後で,次のように述べている。
>さまざまなトラブルが起こった時,私たちは条件反射的に叱り飛ばしたり矯正したりするのではなく,まずは一呼吸おいて,これをチャンスととらえる練習をしてみたいものだと思います。
中学校の生活指導では,「瞬発力」が求められるため,「間髪おかず」が大事な場面も多いのだが,状況判断を誤ると,無関係の生徒を叱ってしまう可能性がある(・・・私もかつて,中学校時代に人違いで殴られた経験をもつ一人である)。こういう注意とは別に,子どもたちの成長を願う教育,自立を促す教育,主体性を育てる教育,という視点で考えると,「今この場のこの行動には,この生徒にとってどのような意味があるのか」を考える「瞬間」が必要なのである。
「一呼吸」という「長い時間」があれば,いろいろなことが頭の中で回転する余裕がある。
「我を忘れる」ような事態になったときに,「一呼吸」の間で何ができるようになるかを考えていくことには,とても意味がありそうだ。
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