11月20日 少子化が進む日本だが,日本には1600万人もの子どもがいる!
地理の学習をしていると,「多い」とか「少ない」,「大きい」「小さい」などと統計データをもとに表現することがありますが,それが何を指しているのか,はっきりと示されていない場合が実際にはとても多いことに気づきます。
たとえば日本は「大きい国か,小さい国か」と問われたら,どのように答えることが可能でしょう。
ロシアやアメリカ合衆国よりは面積がかなり小さい国ですが,ヨーロッパ諸国と比べると,大きい国に入ります。
日本は少子化が進んでいますが,子どもの数は本当に少ないのかというと・・・・
統計局のHPで紹介されている記事(データの出典は平成27年国勢調査)によれば,
アメリカ合衆国,フランス,イギリス,カナダ,イタリア,ドイツと日本を比べると,
15歳未満の子どもの割合(%)は,順に,
19.0,18.5,17.8,16.0,13.7,12.9,12.5ですから,
これらの7か国中,日本は最低です。
しかし,15歳未満の子どもの人数(単位:千人)を順に並べると,
60,977 11,901 11,502 5,741 8,198 10,397 15,887
となり,日本はアメリカに次いで2番目に多い国になります。
人口がそこそこ多い日本という国は,
将来的には急速な人口減少が見込まれているわけですが,
まだまだ実際には,とても多くの子どもがいる国と言ってよいのです。
約1600万人いる15歳未満の子どもたちが,ただ「少子化」という言葉だけで
「日本は子どもの割合が少ない国だ」ではなく,
「日本は子どもが少ない国だ」と解釈されてしまっているのではないでしょうか。
このことが,教育への投資を鈍らせている原因ではないかと思ってしまいます。
世界の半分以上の国が,人口1000万人以下です。
カンボジアやキューバ,ベルギー,ギリシャ,ポルトガルなどは,
1000万人以上の人口がいますが,
総人口が日本の子どもの人口よりも少ないのです。
子どもたちの将来を考えてあげるためにも,ぜひとも知っておいてほしい数字です。
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