どのレベルの生徒に合わせて授業をしますか?
私は社会科の教師だからか,「どのレベルの生徒」という質問を受けたときに,「何のレベルの話?」と聞き返さずにはいられない。
「コミュニケーション能力のレベル?」
「知能指数のレベル?」
「社会科の知識レベル?」
「思考力とか,資料活用力のレベル?」
「親しさのレベル?」
「実際についている役職のレベル?」
授業では,非常に多くの問いかけが子どもに対してなされるが,その難易度は一定ではない。
様々なレベルの子どもに向かって,様々なレベルの問いを投げかける。
答えが言えない子どもにとって,その問いは意味がないと捉えるのは,
「今日は,これができるようになりましょう」などと子どもに指示する下らない教育のレベルの話だろう。
「授業中にはできるようになっても,家に帰ったらできなくなる」ようなことを学校で延々とやっていても意味はない。
問いとその応答のやりとりを通して,コミュニーション能力を向上させていく。
知識はどういう風に使われることで,意味を持って行くか自覚させていく。
「思考力」とは,ただ「考える」という漠然とした頭の働きではないことに気づかせる。
Aさんは共通点から大事なことを読み取った。Bさんは因果関係から本質に迫ってきた。
Cさんは・・・。多くの発言がさまざまなレベルの子どもにとって,参考になっていく。
対話を通して,それぞれのレベルの子どもに合っていく,それが「授業」である。
今時の「教育学者」は,こんな当たり前のことを学生たちに語ることができないのだろうか?
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