道徳教育をまともにやると,教員の立場がなくなる
道徳教育は,手を抜いてやった方がよい,というのは教員としての経験則である。
もし私が道徳教育を真剣にやったら,いくつか好ましくない問題が発生する。
子どもたちは,「大人(教員)こそが道徳的でない」ことをよく知っている。
差別はいけない,と言っている大人(教員)は,平気で差別をしているではないか。
「~のくせに」という言葉は,差別意識の表れである。
「子どものくせに」「中学生のくせに」「成績が悪いくせに」「よく遅刻するくせに」「忘れ物をよくするくせに」「授業中,寝ているくせに」などといった感情を,子どもはとても敏感に教員から読み取っている。
子どもたちができていないことの大部分は,大人(教員)自身もできていない。
自分よりも道徳的な課題を抱えているのは,「~~先生」だな,というのがわかってしまう。
最も効果的な道徳教育は,子どもが教師の立場になり,教師たちが子どもの座席に座って「餌食」になることだろう。
「あなたにとっての崇高な理想とは何ですか?」
大人(教員)として,どういう答えを先生(子ども)にお返しすることができるだろう。
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