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9月29日 記憶のクリーニング

 すごくいい思いをした経験と,逆に最悪の思いをした経験のうち,どちらの方が記憶に残りやすいだろう。

 人によって,記憶しやすい経験の種類は異なっているのかもしれない。

 記憶しやすい経験・記憶しにくい経験の種類を調べることで,「職業への向き不向き」が判別できる,というのが私の仮説である。

 「嫌なことが忘れられない」タイプの人は,たとえば教師には向いていないと思う。
 
 トラブルが発生しやすい学校現場では,子ども,保護者,同僚,管理職を相手に,「嫌な経験」が積み重なっていく。これを引きずって,いつも悩んでいる人は,見た目も暗く,覇気がなく,ますます敬遠される存在になっていく。

 逆に,「嫌なことはすぐに忘れられる」タイプ=「切り替えが上手な人」は,教師だけでなく,勝負ごとの世界でも強さを発揮できる気がする。

 臨床心理の世界では,「記憶」をコントロールする技能の体得方法を教えてくれるのだろうか?

 記憶に残ってしまっているものは,クリーニングすることができるだろうか?

 「記憶」を何となく表面的に考えると,上記のような印象になるが,

 実際のところは,

 嫌な経験をしっかり記憶にとどめながら,そういう経験をしないですむように,戦略的な行動をとり続けることができる人が,あらゆる職業の現場に求められているのだろう。

 「嫌なこと」を本当に忘れてしまっては,せっかくの「貴重な経験」が無駄になってしまう。

 生活指導を繰り返している子どもを見ていると,「叱られることは,嫌な経験ではないのだろう」と納得してしまう。むしろ,「褒めてあげる」ことで,落ち着きをなくさせた方が,問題行動は減るということを教師は経験則で知っている。

 子どもにとって,「褒められる」経験はよいことだが,本当に意味のある「褒められ方」ができていたかどうかは,その「記憶」がどのような意味のあるものとして子どもにとどまっているかを知ることで判断できるはずである。

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  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
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  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
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  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
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