「失敗から立ち直ったつもり」の誤解が最大の失敗
「失敗から学ぶ」系の本を読んでいて,たまに見つかるのが,
「失敗に気づいて改善した後に出てきた失敗に気づけていない」ことがわかってしまう話である。
結局,「点数至上主義」になってしまっている実践ほど痛いものはない。
もともと「点数至上主義」だったのだから,何も進歩していない,という証拠にもなってしまっている。
「結果が出てれば,理解されるはずだ」というご都合主義というか,批判回避主義も失敗の原因であるが,
こういうタイプの失敗原因は,直しようがない。
「点数がとれれば,成果が出たことになると言える」と思うのは,
教育の実態がわかっていない,教育行政にいる教育の素人たちだけである。
すでに教育の世界では,「そういうテストで点数がとれたところで意味がない」ことが常識になっている。
社会の要請に応えられない教育なのに,意味のない要請をしてきて満足してしまう人間が一部にいることが失敗を生む背景となっている。
子どもたちが全員そろってお互いのレベルを下げまくっている実践がどういうものか,もう少しだけ実践が有名になってくれば,一般の人たちにもわかってもらえるようになるだろう。
塾で勉強している子どもたちのおかげで,みんなができる気になったという教育実践は,いずれ,塾の宣伝にしか役に立たなくなっていくだろう。
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