大学生は「子ども」ではないか?
私がある大学の採用面接を受けたときに,面接官の方(役職名も教えていただいていましたが,失念しました)が事務的ではなく,本気で聞いてきているなと思った質問が,
「うちの大学はどのような評価を社会から得ていると思われているか」
という趣旨のものでした。私はだれかからその大学の評価を耳にしたことは一度もなかったのですが,まさか「耳にしたことはございません」とも答えられないので,
「教育のナントカと呼ばれるように,とても評判はよいです」と当たり障りのないことをお答えしました。
本心で言っていないのがバレたのか,何だか煮え切らないような反応をされていましたが,
教育学部でそれなりに学生の質が高いことは間違いなく,かつての同僚もその出身だったので,「良い教育をされていると思います」としか答えようがありませんでした。
ただ,小学校とは違って中高の教員採用試験にはあまり合格者が出ていないことも確かで,どこかの教員採用試験予備校のような大学ではないために,経営陣には大学の将来性に多少の不安があるのかもしれません。
いずれにせよ,大学の大学生の扱いは,昔と比べてはるかに「丁寧」になっていることは確かでしょう。
私から言わせれば「子ども扱い」という話ですが,
「子ども扱い」した方が,教員になりやすいのであれば,そうした方がよいかもしれません。
「一人も見捨てない」と息巻く人たちは,「子ども」たちを何歳まで自分たちの方法で育てようとしているのでしょうか。
大学生だと,いくらでも見捨ててよいのでしょうか。
採用試験に合格できないで困っている人たちが気の毒で仕方がありません。
教育学部なんかにいて教育学とか中途半端な免許のための単位を取らされるより,教員になってからもっと役に立つ学問がいくらでもあったはずなのに・・・。
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