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「常識」が受け継がれないことの危険性

 「当たり前」のことが「当たり前」でなくなる。

 経験の多い教師なら,学校が荒れ始める前の様々な兆候を見逃すことはないはずである。

 今日は,野球の試合があったのだが,雨の中の試合になることがわかっていたにもかかわらず,下級生のだれ一人として,濡れたボールを拭くためのぞうきんを持っていなかった。私がそのことを予想して,家にあったものをバックに入れておいたので実害はなかったが,都大会への出場を目前にしたチームの状況としては考えられない事態であった。

 私も「悪い親」の一員であることには変わりはない。

 親が何でも準備してくれて,「考える力」「予想する力」「備える力」を子どもたちは失ってきている。

 親は子に,上級生は下級生に,教師は生徒に,

 大切なことを伝えていないのか。

 学校という職場に限らず,

 一般企業においても,同じような「劣化」は見られるのだろうか。

 ナントカ大臣のように,国政では個人の能力の劣化が課題ということもあろうが,

 「組織」の中の「常識」が受け継がれない事態には,やはり危機感を強く抱いてしまう。

 人工知能が人間の活動を助けるような時代になると,人間は,いつの間にか,だれも「考えずにすむ」日常にどっぷりと浸かっていくことになりかねないのではないか。

 「人間の知能の劣化を防ぐための人工知能」の開発も欠かせないはずである。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より