成果を上げる教師の10の性質
読書編で取り上げた『世界最高の学級経営』(原著のタイトルは『学級開き』)では,「成果を上げる教師の10の性質」=教師が果たすべきリーダーシップ(当たり前のものばかりですが)が紹介されています。
>1 達成のビジョンがある。
>2 いいお手本となる。
>3 同僚を導く対人関係のスキルを持つ
>4 共通のゴールに向かって人を動機付け,鼓舞する
>5 ゴールに集中する
>6 締め切りを決め,中間目標を達成する
>7 個人同士,グループ同士の対立を仲裁する
>8 きちんとした知識や技術が重要だと考え,トレーニングを推進する
>9 情報を共有し,若く経験が少ないチーム・メンバーのメンターとなる
>10 準備が万全で,情熱的かつ粘り強い
学校という「組織」では,学年の会議や,教科の会議がいかに重要かがわかるでしょう。
リーダーがリーダーシップを発揮するための時間をおろそかにして,連絡だけの職員会議を長々とやっている学校では「成果を上げる教師」が生まれにくくなることもわかるでしょう。
公立学校では,「教科別の会議?そんなものはないよ」というところがほとんどでしょう。
残念ながら,教育界に限らず,受験競争が厳しい日本には,「学び合う」文化が根付いていません。
「自分がよければ」という発想で,わざわざ自腹を切って組織の外に学びにいく。そして,その成果を共有化しようとしない。
こういう文化の国だから,「お前らにこんなこといっても,わからないだろうな」「お前等は同志じゃないんだよ」なんていう人間が上にしがみついたりしている。偉そうなことを言っても,学校の管理職などには逆立ちしてもなれないような人間が,「既得権」としての教育を金をとって語っている。
「成果を上げる教師」を増やそうとしているのか,そんなつもりはないのか,わからないような連中が「オレの方を向け」なんていう態度で本を出している。
恥を知れ。
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