大学教授の「体罰」「パワハラ」の原因を考える
教員になりたてのころ,初めて研究会に参加して知り合いになった先生が,私を後任として引っ張ってくれようとしたことがあった。当時はまだ,一本釣りで教員を確保することが可能な学校があった。
この方が国立大学の先生になられた後,授業でふざけた態度をとった学生を投げ飛ばした,という話を人伝に聞いた。
大学では「体罰」ではなく「暴行」と呼ぶようだが,そういうことができる先生に認められたことは嬉しく思っている。
別の国立大学で同じようなことが起こって,すでに処分の内容も合わせて発表されている。
マンガのように気合いが入ったセンセイなのか,ただのオッサンなのかはわからない。
私の心配は,学生の側の問題ではなく,何かの成果を出すのを強制的に求められたり,どうでもいい書類を書かされたりしたストレスが原因ではないか,ということである。
本当にどうでもいい事務的なことに費やされる時間が増えたのは,たいてい,「事故」のせいである。
「事故」を防ぐために,「事故」が起こったとき以上の煩雑な手続きが必要になる。
「事故」を防ぐためにしなければならない行動のストレスが,「事故」を生む。
最悪の悪循環である。
国立大学の先生たちが今,不満たらたらであろうことが想像できる。
でも,もしそれが原因で学生に八つ当たりしているようなら,やめていただきたい。
また,どうしようもない学生には,単位を与えなければよいだけだ。
公表しているポリシーに合っていない学生を取ったのが原因かもしれない。
努力もせず,成果も出さずに学位がとれてしまうような大学は,国立でもつぶれた方がよい。
停職期間中に「今の大学生はこんなだ」なんていう暴露本でも書いてくれれば,読んでみたくもある。
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