教員でも「稼ぐ」人間が大事にされる時代が来るのか?
私が指導主事だったころ,文科省にいた知り合いの先生が,出版やら講演やら何やらで儲けまくって,問題視されたことがあった。内部から刺されたのだろう。
週刊誌に「副業」のあがりの金額をすっぱ抜かれて,その先生は結局大学に行ってしまうことになったが,そっちの方が堂々と仕事ができて,幸せだったに違いない。
あるラジオ番組で,これからのサラリーマンは年収が上がらないから,自ら主体的に「稼ぐ」意思をもって,起業したり,副業で収入を増やそうとしたりする「マインド」を子どものころから培っていかなければならない・・・とだれかが主張していた。
最大のネックは,12年間くらい教育を受ける場では,「稼ぐ」マインドをもった人と接することができないことだ,とも。先生は「稼ぐ」人ではなく,ただ給料を「もらう」人だと。
とすると,自分のクラスの児童には自習をさせて,どこか他の学校に講師としてせっせと出かけてしまうような先生が大勢いた方がよい,という話になっていくのだろうか。
「今日もうちの担任は出張だ。お土産のお菓子が待ち遠しいなあ」
これはこれで,世も末,という感じである。
子どもを見る時間が減ることによる「ツケ」は,決して小さくはない。
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