「一斉授業」の展開のバリエーション
なぜ45分とか50分の一斉授業において,一定時間,教師が話をしなければならないのか。
それは,生徒に「学習」をさせるためである。
生徒が「学習」に取り組むためには,頭の中を「アクティブ」な状態にしなければならない。
生徒の頭の中が「アクティブ」な状態になるためには,「なぜこの問題を考える必要があるのか」「なぜこの問題を考える価値があるのか」を実感させないといけない。
「そんなことは無理だ」と諦めているのは,「子どもを見捨てている」教師である。
「一人も見捨てない」などという綺麗事を言いながら,「大勢を見捨てている」罪悪感に駆られない人間は教師ではない。
「主体的に学ぶ」姿勢を持たせるためには,教師主導の「導入」や「展開」が必要なのである。
「展開」の仕方は様々である。
指導案では,「展開1」「展開2」「展開3」などと,発問や理解の深まりとともに,学習のスタイルも変化する場合がある。
ペアで議論したり,4人1組で話し合ったりする場面もあるだろうし,1人の発言をもとに,多くの生徒が意見交換をする場面もあるだろう。
いつの間にか,「学級自治会」みたいになることもある。
これも「一斉授業」である。
理解が不十分な子どもに寄ってたかって理解させようとする子どもたちに,「それでお前たちが得ができるんだ」なんて「説得」している教師が実在するとすれば,恐ろしい限りである。
文科省は,「自分で考えればもう少しで答えが出たのに,他の子に解き方を教えられて悲しい思いをした」というケースも,「いじめ」と認定するという見解を出していることを覚えておいてほしい。
「一斉授業」に対する理解も技能も不十分なまま,子どもたちを「放し飼い」にする教師を断罪できるのはだれだろう。
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