北陸地方では常識的な?「防災教育」
ある高校生が,「雷の多い年は豊作になる」と言い伝えを実証するための実験を行ったことがニュースになっています(産経新聞)。
私の勤務している中学校では,1年生の一部が必ず田植え体験をしている関係で,よく次のような話をします。
以下の文章は,JAみな穂のHPからの引用です。
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雷は稲妻とも呼びます。雷は稲が結実し始める夏の時期に多く発生することから、古来より稲は雷によって結実すると信じられていました。雷が稲を孕(はら)ませると考えられ、雷を稲の夫(つま)稲夫(いなずま)と呼ぶようになりました。昔は「夫」も「妻」も夫婦や恋人が相手を呼ぶ言葉で、「つま」に妻が当てられたことから稲夫→稲妻と呼ぶようになりました。
そのため雷が多い年は豊作になると信じられてきたのです。
また雷を「神鳴り」とも書くように昔から雷は神の仕業と考えられてきました。雷を「いかづち」とも読むのは荒々しい様子を表す「厳(いか)し」に大蛇(おろち)や蛟(みずち)などで神や霊を表す「ち」を「づ」現代かなづかいの「の」で繋げたものです。
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このHPには,北陸地方が雷多発地帯であることも示されていました。
北陸各県では,「雷が発生したときの安全対策」の教育もしっかりと行われているのかもしれません。
実際に田んぼに雷が落ちると,どんな現象が起こっているのでしょうか。
高校生が行った実験によれば,放電した水は,通常の水よりも窒素を多く含んでいたとのこと。
そうすると,人為的に放電を起こしていき,水分中の窒素量を増やすことで,収穫量の増加が見込めるようになるのでしょうか。
ただ,長く放電しすぎるのもいけないようです。
各地に残されている様々な伝承は,経験則を示しているものも多いのでしょうが,現在では,それらの科学的根拠を解明している人たちも多いはずです(そういう本を昔読んだ記憶があります)。
今回の高校生のような実験・検証を行う研究が,「総合的な学習の時間」の基本スタイルになっていくことを期待したいものです。
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