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中学校社会科の新学習指導要領案を考える―その0 教科目標と「天下り」先の確保

 冒頭から蛇足になってしまうが,以下に示した社会科の新しい教科目標で,「グローバル化する」という言葉が「国際社会」を修飾していることと,そこで「主体的に生きる」人間を育成する,という文脈になっていることが気になる。

>社会的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。

 グローバル化する国際社会を「アメリカ帝国主義におおわれた世界」と解釈すると,そこで「主体的に生きる日本人」というのは,ジョーク以外の何物でもない。

 グローバル化に抵抗する勢力が増えつつある国際社会で,「グローバル化する国際社会」という言い回しは,いかにも時代遅れというか,「まだそこなの?」という印象が強い。

 グローバル化という言葉がないことによって,「国際社会に主体的に生きる」ことの意義の重要性が認識できる目標であったのに・・・・。

 補助金というエサをちらつかせながらグローバル化対応を大学に迫り,天下り先を巧妙に確保するどこかの省庁の「主体性」のことが,嫌に頭にちらつく。 


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より