中学校社会科の新学習指導要領案を考える―その0 教科目標と「天下り」先の確保
冒頭から蛇足になってしまうが,以下に示した社会科の新しい教科目標で,「グローバル化する」という言葉が「国際社会」を修飾していることと,そこで「主体的に生きる」人間を育成する,という文脈になっていることが気になる。
>社会的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
グローバル化する国際社会を「アメリカ帝国主義におおわれた世界」と解釈すると,そこで「主体的に生きる日本人」というのは,ジョーク以外の何物でもない。
グローバル化に抵抗する勢力が増えつつある国際社会で,「グローバル化する国際社会」という言い回しは,いかにも時代遅れというか,「まだそこなの?」という印象が強い。
グローバル化という言葉がないことによって,「国際社会に主体的に生きる」ことの意義の重要性が認識できる目標であったのに・・・・。
補助金というエサをちらつかせながらグローバル化対応を大学に迫り,天下り先を巧妙に確保するどこかの省庁の「主体性」のことが,嫌に頭にちらつく。
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