極細の屋台骨が折れた日本の教育界
国立大学を縛り上げていた文科省が,
私立大学に対して想定問答集まで与えて,省ぐるみで国家公務員法に違反する行為を行っていたことは,
日本の何を象徴しているのだろうか。
利己的な国家公務員とそのOBが,教育も道徳も無価値に見える社会に日本を変質させようとするねらいは何か。
いじめの聞き取り調査では,口裏合わせをさせないような機動的な調査が求められるが,
これからは,文科省の人事課というお役所の人たちが行っていた方法を真似るケースが増えていくのだろうか。
行政の人間なら,それも霞ヶ関の人間なら,絶対に口にできない言葉があったはずである。
「法律をよく知らなかった」
「自分の行為が法令に違反しているとは思わなかった」
という言い訳ができる官庁が,日本にあったとは驚きである。文科省レベルなら仕方がない,とは言えない。
もしそれで事務次官などという地位につき,8000万円もの退職金を手に入れて「もらい逃げ」することができるとしたら,
日本はもはや法治国家ではなくなってしまう。
立場を利用して甘い汁を吸う人間がいるのは,もちろん日本だけではない。
お隣の国との共通性が滲み出てくるような出来事であった。
骨が折れ曲がったテントをそのまま露出しておくのか,どうか。
穴の空いた天井から,どのような景色が見えているのだろうか。
国家公務員が法令を守らない国の政府が語れる道徳や正義とは何か。
拷問は「効果がある」と発言する新大統領がいる国と一緒に自滅しないですむ進路を探ってもらいたい。
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