教師の影響力を過大評価する人・過小評価する人
教師の影響力を過大評価するのは,自意識過剰な教師自身と,子どもの挫折の責任を教師になすりつけたい大きな子どもである。
一方で,教師の影響力を過小評価するのは,優秀な人材に恵まれない学校現場と教員養成機関である。
影響力に低下傾向があるのは,致し方ない。
しかし,「そもそも教師の側に影響力はない」というのはウソだろう。
もともと勉強が嫌いで,今も嫌いな人なら仕方がないが,
教師の影響で好きになった教科がある,という人に,私の言うことは伝わるだろうか。
そもそも,人は人からさまざまな影響を受けながら,変わっていく存在ではないのか。
親はもちろん,出会ったすべての人が,何かしらのかたちで人の心の中に生きていないだろうか。
もちろん,他人に大きく期待しすぎること,依存しすぎることはよくない。
しかし,教師に期待や依存ができない環境というのは,酷すぎないか。
教師と子どもとの間で生まれようとするものを,頭から拒絶する人に,教育を語る資格はあるのか。
最近,「他人の脳を利用してその場をやり過ごす能力に長けた子どもが増えた」という実感をもっている教師はいないだろうか。
自分が愚かなタネをまいていることに,気づけない教育関係者がいることがおそろしい。
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