「継続」こそが使命なり
読書編でご紹介した木下斉著『地方創生大全』に,地域活性化の真のあり方が示されています。
>成功と失敗を繰り返しながら,それでも決定的な失敗をせずに,どうにか上昇気流をつくり出していく日々の取り組みこそ,地域活性化のリアルです。
この言葉には,どのような「物語」への不満が示されているのでしょうか。
深くはふれませんが,「一時的な成功では意味がない」ことは,どなたでもご理解いただけることでしょう。
ただ,世の中は,「目の前の,しかも,数値で表せる成果」ばかりを重視する行政の人間たちによって,大いに狂わされています。
教育も,地方創生も,全く同じ図式で,「好転」はおろか「悪化」の原因を招いているともいえる「政策」が実行に移され続けています。
メディアがわざわざ取り上げるような「成功物語」が,「継続性」を保障できているものなのか,本当はそういうチェック機能こそメディアが果たすべき役割なのに,「珍しいことをしているから,取り上げよう」という
単発的
虫食い的
なニュースの取り上げ方をしているものだから,
「ああいうことをしないといけないのだ」という誤解も招いてしまっている。
>地域の新たな取り組みに強硬に反対する地元の有力者
>成功したことによって妬みを持つ住民
>地方独自の成功に乗じて自らの実績をあげるためにモデル事業予算を売り込む役人
こうした欲望の渦の中で,地道な努力をしている人をメディアが取り上げることはないでしょう。
本当の意味での,
継続性のある「成功」を支えるどころか,
それを妨害する役割を果たしているものが何であり,
「失敗」を乗り越えながら「成功」を模索する教育現場や地方を支えることができるものが何なのか,
こういう問題意識を持ってくれる,「本当の政治家」の出現が待ち遠しいものです。
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