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資本主義の神様が抱く危機感

 商品を提供する側が,顧客を選べるということに,どのような意味があるのだろう。

 たとえば私立学校が,入学試験で優秀な子どもを選抜し,「顧客」になることを認めることは,「いい大学」に進学できるよりよい「顧客」を増やし,さらに利潤を増やすことにつながるという点でのメリットが大きい。

 ファッションデザイナーが,「人気のない政治家の家族や芸能人」に服を提供することは,自分のイメージダウンにつながるので拒否するという話も,ブランドの価値を保つという点で重要な意味をもつ。

 このような話は,「一般庶民」というか,昔で言うなら「下々の者」にとっては,いい気持ちのするものではない。

 バブルのときに,ブランド品を買いあさりに来るアジア人に対して,露骨に人種差別的な攻撃があったかどうかはわからないが,「あなたたちにはこの学校,この商品はふさわしくない」と言える存在があることに,納得ができない人が増えていくと,世の中はどう変わっていくのだろう。

 「資本主義の神様」がいるとしたら,格差が拡大して,「上位層を嫌う」人たちが増えていくことに,どのような危機感を抱いているだろうか。

 実際には,「上位層」がどう対処すべきかが,あるべき未来の姿に大きくかかわってくるように思う。

 「政府」などという調整機関よりも,「上位層」という「特権階級」への嫌悪や批判が高まっていく社会から失われていくものは何だろう。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より