指導力不足教員が教職大学院で「生まれ変わる」ことは可能か?
「優秀な教師」と呼ばれるようになる資質能力を向上させることが,大学や大学院に可能だろうか?
もしこういう質問を,「優秀な教師」と考えられている人たち,たとえば人事考課でAをとっている人たちにしたら,どのような答えが返ってくるだろう。
優秀な教師が,大学院で学び直して,さらにその資質能力を伸ばすことは可能かもしれない。
「雑用」をやらされて,「こきつかわれる」立場をもう一度経験することで,
理解と愛情のある「こきつかい方」ができるようになるという「教育効果」も大きいだろう。
ただ,進む大学によっては,「学ぶこと」よりも「教えてあげること」の方が多くなってしまうかもしれない。
そもそも「教え方」の勉強をしてこなかった大学のセンセイたちから,社会環境が異なる海外のガクシャの理論を紹介されたところで,日本の学習指導要領の枠内では実現不可能なことだったら意味がなく,むしろ「ジムカタ」に転職した方が「教育のコウジョウ」に貢献できるかもしれないわけである。
もし,教師としての資質能力に明らかに欠ける学生や教師が,大学や大学院で学ぶことで,将来「優秀な教師」とよばれるようになる力は身につくのだろうか。
ある大学のセンセイにこれに近い質問をしたところの答えは,
「学生が多すぎてわからない」というものだった。
そもそも学生自体の能力を大学のセンセイは把握できていないわけである。
現場の教師をつとめたことがないかつとめてもすぐに辞めてしまったような大学のセンセイには,そもそも「教師としての適性があるかないか」が判断できないわけである。
こういう大学のセンセイたちが「学習のヒョウカ」のことを教えるのだから,資質能力が高まるどころの話ではない。
「教職大学院」がもてあまし気味になりはじめていることが,一部の学校に出された調査からうかがえる。
始める前からわかっていることに気づけないで始めてしまうということ自体が問題なのである。
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