「入試制度改革」は「教育改革」とセットでなければ成立しない
教育という仕事の難しさは,「目標」があいまいなところにある。
「目標」があいまいだと,「指導」があやふやなものになる。
「指導」があやふやだと,「評価」は間違いなくいい加減なものになる。
「目標」を具体的・固定的なものにすると,「指導」があぶなくなる。
「指導」があぶなくなると,「評価」は何かを破壊し始める。
現状は,「目標」など関係なく,画一的で硬直的な「指導」があり,
「評価」は機械でもできる仕組みになっている。
これまでの教育現場では,「受験問題」という「最終ゴール」に向けて,教師でない人間でもサポートすることができたので,たとえば子どもに向かって教えた経験が一度もない人にも,「受験問題」やそれと似たような問題をつくることができた。
今,やっと「記述の問題を導入する」などという「超低レベル」の「受験問題改革」をしようとしているくらいだから,こうした「体制」は全く変わることなく,これからもしばらくは続いていくだろう。
本当の改革とは,上級校の「目標」設定を自由として,その目標への達成度や達成への資質能力が高まった子どもを独自に選抜できる仕組みをつくることにある。
上級校が,上級校入学への準備を志望者がばらばらに存在する各下級校在学中から行えるような仕組みをつくることである。
今は,下級校の評価を土台として,上級校が選抜する仕組みになっているが,これを「逆」にするのが,本当の「教育改革」である。
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