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人間の本性が見えやすくなるとき

 人がこちらをどのように思っているか・・・私は心を読むのが得意である。

 目と表情と呼吸などから判断しているのだろうが,人によってはそのまま心に入り込めるような感覚になるときがある。

 ここしばらくは,私が見た目でわかる大きな怪我をしていることから,相手の心がより見えやすくなっている状態である。

 空港で案内をしている女性の,おそらくマニュアルに反していたことに気づいたことによる「しまった」の瞬間を私は見逃さなかった。

 私に対して申し訳ない,という謝罪の気持ちよりも,気づけなかった自分を悔いている表情だった。

 人は,謝罪するときは「ごめんなさい」「すみません」という言葉を使うことを教育されている。

 しかし,その言葉を使うことと,謝罪する気持ちになっていることは別の話である。

 怪我が治るまで,嫌でも人間観察ができてしまう。

 人の本性がわかるということは,・・・特に,よくないことがわかってしまうときは,あまりよい気持ちではない。

 信頼関係が深まる人がいる一方で,「あとで嫌なことを言われないうちにいい態度をとっておこう」とする姑息な気持ちまで見えてしまうのもつらいことである。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より