茂木健一郎さんによる「小学校算数に対する苦言」
あるサイトで,茂木健一郎さんのツイートが紹介されていた。
なぜか小学校教育の世界には,「算数科」とか「国語科」といった教科別の「ご専門」がいらっしゃる。
「算数科」の「ご専門」が小学校教師をつくると,どういうことになるか。
3+2=5は正解だが,2+3=5と書くと不正解になる。
2.4+6.6=9は正解だが,2.4+6.6=9.0と書くと不正解になる。
こうした小学校算数の奇習というか悪しき慣例が打破できないのはなぜだろうか。
「数学者」ではない小学校の教師が,どこかで「算数教育の専門家」に化けて生息してしまっているからだろう。
奇妙な正解を子どもに押しつける行為は,「子どもの精神に対する虐待」であり,許されない行為だと茂木さんは主張されているようだ。
全く同感である。
優秀な子どもたちは小学校算数など全く相手にする必要もなく,受験算数をひたすら学んで頭脳を磨いているのだろうが,公立中学校に進学してくる子どもたちの中には,本当に算数ができない子が多い。
いったい何が原因でここまで算数の習熟度が低い子どもができてしまうのかも謎である。
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