口のきき方を知らない大学院生
私の知る範囲内の話だが,教育関係の大学院生の評判がすこぶる悪い。
一部には,「大学入試は厳しいが大学院にはだれでも入れる」という声もあるらしいが,それだけが理由ではないだろう。
以前にも書いた通り,研究会での「口のきき方」を知らない大学院生が増えているのだが,その理由は簡単で,指導に当たっている大学教員とそっくりになってしまっているのである。
傍若無人な態度こそが,大学という世界ではとても重要な資質・能力なのかもしれないが,自分の大学から一歩外に出てしまうと,大学内と同じことが通じるところはこの世に存在しないことを知っておいてほしい。
紙に書かれてあることを平気で質問してくるのはまだ許せる。
直前に話していたことを聞いていなかったのが丸わかりの質問,
いつもどこかで同じようなことを繰り返し話していることがわかる的はずれの質問・・・
こういうのも,まだぎりぎり許してあげられる範囲である。
しかし・・・。
何もわかっていない大学院生が,
「私はあなたよりも,このことについては詳しくわかっているのですよ」という態度を現場の教師にしている間だけは,アドレナリンが大量放出されてしまう。
私はこういうのを黙らせることができる質問をたくさんもっているが,公衆の面前で直撃させることは滅多にない。それを炸裂させたのは,先日の学会くらいだっただろう。
何も言えなくなるのなら,発表などしなくてよい。
大学生よりも,大学院生は,自己満足のかたまりに見える。
礼儀を失い,社会性を失い,実社会での有用性を失わせる大学院の成果は,
日本の場合,「垂直的な学歴の軽視」に直結している。
「マスター」やら「ドクター」やらと,・・・聞いて呆れる。
現場で役に立っている姿こそが目にしたいものである。
« J教育大学附属学校の存在意義のなさ | トップページ | J教育大学附属学校の存在の尊さ »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「教育改革」カテゴリの記事
- 改正教育基本法第16条の問題点(2018.12.28)
- 今,手を抜いていると,公教育の民営化が本格化したとき,・・・(2018.11.24)
- 国後島で考えたこと~日本の教育(2018.10.02)
- 都合の悪いことに目を向けさせなくする教育(2018.09.08)
「リーダーシップ」カテゴリの記事
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
- マリオが総理大臣ならピカチュウを防衛大臣,ハローキティを外務大臣に(2017.12.02)
- 「大人になったら教師はいなくなる」は大間違い(2017.11.27)
- 準備体操なしで全力疾走させるような授業はアウト(2017.11.26)
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
「社会科」カテゴリの記事
- 止まらないビールの需要減(2018.12.30)
- 皇族への言論弾圧(2018.11.30)
- ありえない課題設定・・・EUが1つの国?(2018.11.24)
- 1000人当たりの暴力行為発生件数ワースト5は(2018.10.29)
- 創造性を奪うポートフォリオ評価(2018.06.05)
「学習の評価」カテゴリの記事
- 創造性を奪うポートフォリオ評価(2018.06.05)
- ペーパーテストだけで「評価」ができる「教科」はない(2018.05.26)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
「ブログネタ」カテゴリの記事
- 「大人になったら教師はいなくなる」は大間違い(2017.11.27)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 「功を焦る子ども」に成長が阻害される「弱者たち」(2017.09.26)
「学校評価」カテゴリの記事
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
- 最低限の教育の場の確保を!(2017.11.06)
- 「怒鳴り殺し」の生活指導(2017.10.18)
- 9月19日 食育の日と給食大量食べ残し問題(2017.09.19)
「教職教育」カテゴリの記事
- 「総合的な学習の時間」の指導ができるように教育できるのはだれか(2019.11.24)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
「教師の逆コンピテンシー」カテゴリの記事
- 遠慮しないで情報を提供しろ!~いじめを見逃す環境との戦い(2018.12.29)
- 偶然の重なりと緻密な演出~インスタレーションから受けた刺激(2018.12.22)
- 子どもから有能感を奪い取る方法(2018.11.25)
- 量より質が大事なものと,質より量が大事なものとは?(2018.04.23)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
「小中連携」カテゴリの記事
- 中学校化している?小学校の授業(2018.10.15)
- なぜ学習指導要領が「小学校寄り」になるのか?(2018.10.13)
- 小学校英語教育の最大の欠点(2018.08.11)
- 中1ギャップを考える前提としての小中ギャップ(2018.05.28)
- 小学校に望む本当の「働き方改革」=小学校が変われば「中1ギャップ」解消に一歩近づく(2018.01.30)
「道徳」カテゴリの記事
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 五輪ボランティアの数字を見て(2018.12.27)
- 南青山に似た環境の公立学校は,頑張った。(2018.12.23)
- チコちゃんに叱られる~おやじギャグが言える年齢になると,ホンネも漏れやすい(2018.11.11)
- 道徳教育が成立するための条件とは(2018.10.31)
「教育実習」カテゴリの記事
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
- 鉄道トラブルと学校教育の劣化の共通点(2017.12.23)
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
「教員の評価」カテゴリの記事
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- ペーパーテストだけで「評価」ができる「教科」はない(2018.05.26)
- 子どもの人間関係に対する不感症の影響力(2018.03.28)
- 自分のダメさを完全に棚上げできる才能の伝授(2017.12.29)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
「教員研修」カテゴリの記事
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
- 鉄道トラブルと学校教育の劣化の共通点(2017.12.23)
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
「グローバル人材」カテゴリの記事
- 孤立・自壊する可能性に気づいた?中国との関係づくり(2018.10.26)
- 大坂なおみ選手のインタビューへの非難・抗議(2018.09.14)
- マリオが総理大臣ならピカチュウを防衛大臣,ハローキティを外務大臣に(2017.12.02)
- 準備体操なしで全力疾走させるような授業はアウト(2017.11.26)
- 11月20日 少子化が進む日本だが,日本には1600万人もの子どもがいる!(2017.11.20)
「『学び合い』」カテゴリの記事
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 子どもから有能感を奪い取る方法(2018.11.25)
- 人間の醜さを露呈させる教育方法(2018.01.15)
「アクティブ・ラーニング」カテゴリの記事
- 現場感覚のない人が社会感覚のない人にアドバイスを送る教育の世界の不思議(2018.12.01)
- 苦しいときほど笑って「感情の錯覚」を生み出す(2018.09.15)
- 教科独自の見方・考え方の意味や意義がわかるためには(2018.09.15)
- 「知らない」ことが持っている大きなパワー(2018.09.09)
- 子どもたちに多大なストレスをかけている道徳(2018.06.02)
「公共空間と私共空間」カテゴリの記事
- 政治の世界で目立つ「ダメリーダー」の教育効果(2017.08.18)
- 「失敗から立ち直ったつもり」の誤解が最大の失敗(2017.08.13)
- 女性社会が男性社会に変わることが中1ギャップの最大の原因か?(2017.08.13)
- 男性中心になってしまう教育実践の落とし穴(2017.08.12)
「教員採用試験」カテゴリの記事
- ペーパーテストだけで「評価」ができる「教科」はない(2018.05.26)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 鉄道トラブルと学校教育の劣化の共通点(2017.12.23)
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
- 準備体操なしで全力疾走させるような授業はアウト(2017.11.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント