「直感」の正体とは何か?
何かよからぬことをたくらんでいることが「直感」でわかるのはなぜか。
成績が上がる子どもとそうではない子どもが「直感」で区別できるのはなぜか。
初めて会ったときに「力のある先生」と「ふつうの先生」を「直感」で見分けられるのはなぜか。
なかなかその理由を説明するのは難しいが,読書編でご紹介する以下の言葉はなるほどと思った。
>私にとって自分の直感はもっとも信頼できる意思決定の指針なのです。直感というのは,何も天から降ってくるものではありません。何か課題を与えられると,脳は無意識の領域でも自分の脳内にストックしてある知識や情報を検索し,さらにそれらを足したり引いたりして最適解を導き出します。これが直感の正体です。
>つまり,直感というのは,その計算のプロセスを自分でも意識できないほどのスピードで「脳をフル回転させて得たアウトプット」であり,言語化はできなくても,単に直情的に行動するのとはまったく違う性格のものなのです。
>そして,この直感は「ストックしてある知識や情報=インプット」の量が多ければ多いほどその精度が上がります。
最近の教育改革は,インプットからアウトプットへ,経済で言う「ストック」から「フロー」へ,コンテンツからコンピテンシーへとその重点をうつすのが潮流ですが,インプットやストック,コンテンツがいかに重要かがわからない中途半端な人たちが思い込みでことを起こそうとすると,本当に中身がからっぽの人間が増えていく気がします。
コンピュータが大好きな人は,囲碁や将棋などルールが決まっているゲームではなく,新たなルールを築いていかなければならないこの世界を乗り切れるほどの力を人工知能が本当に発揮できるか,人間の脳を超える可能性をどれだけもっているか,論理的に自分の脳で説明することができるのでしょうか。
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