「観点融合型評価」とは何か?
一つの観点から学習活動の成果を見るのではなく,いくつかの視点を融合したかたちで判断できるようにすること。
これは,「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を組み合わせればよい,というわけではない。
当たり前の話だが,「知識」と「技能」の組み合わせも,「思考力」と「表現力」の組み合わせも無数にある。
「知識」には「具体的事象に関する知識」と「抽象的な概念に関する知識」が組み合わされていることで,思考し判断するために活用することができるようになる。
地図や統計を読み取る「技能」と,読み取れたことを編集して分布図やグラフに描く「技能」が組み合わせることで,思考に役立てることができる資料になる。
「思考」でも,「垂直思考」と「水平思考」,「拡散思考」と「収束思考」を組み合わせることが必要である。
組み合わされた「知識」や「技能」や「思考」などがいかにうまく結びつけられているかを評価するべきで,これを「観点融合型評価」と私は呼んでいる。
単に「観点別評価」を組み合わせればよい,という単純なものではないことを確認しておきたい。
観点別評価を「足し算」するような発想では,学力の評価にはならない。
観点別評価の「二乗」「三乗」・・・が「観点融合型評価」の特徴である。
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