できるだけ「隠して」おきたいボランティア活動
若いときは,自腹をきってさかんに現地調査を行い,それを教材化して,社会科の授業に臨んでいました。
何とか研究会とか自治体の研修会の「巡検」に参加したこともありましたが,やはり自分が興味をもったことを,自分の計画で,自分の都合のよい時間に調査した方がいろいろと効率も内容もよいものになります。
「巡検」は,どちらかというと「人間関係づくり」の方を優先したいときに参加するものでしょう。
ボランティア活動の内容も教材にしたことがあるのですが,ついこれをある研究会で紹介したら,知り合いになった先生たちが「そういうことをしている教師」として他の先生たちに広めてしまいました。
社会科の教師だから,ボランティア活動とは言っても,動機は純粋なボランティア精神ではなく,
やはり「教材にしたい」という意欲に基づく活動になってしまいます。
厳密に言えば,ボランティアに紛れ込んだ取材活動,調査活動といった方がよいかもしれません。
もちろん,体験してみてわかる意外なことがたくさんあり,「五感」が大切なことに気づかされたりもします。
「ご飯がとてもおいしく食べられる」とか,何か心に残ることがあるから,ボランティア活動・・・いえ,調査活動が続けられるものです。
教師という職業では,なかなかまとまった休日がとれません。
夏休みはちょっと体力的にきつくなりますし,本当の「隙間時間」しか使えなくなります。
ただ,そっと行ってそっと帰ってきた方が,何だかしっくりくるようになってきました。
教師生活が長くなると,教材を「眠らせる」こともできるようになりました。
「休眠中」の教材の多くは,すでにいくつもの冬を越して,おとなしくファイルの中に収まっています。
何でもかんでも公開したり,本で出版しないと気がすまない人たちとは,ちょっとスタンスが異なるかもしれませんが,生徒に対して使うことがなくなれば,自分の子どもに託して処分してもらうことになるのでしょう。
いつか社会人になった子どもと行ってみたい場所がいくつかあります。
そういう場所をもう少し増やしてみたいと考えています。
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