バックアップ(カバー)の大切さ
野球の守備では,「バックアップ(カバーリング)」をすることが基本の1つである。
たとえば,ランナーが1塁にいたとき,ライト前にヒットが飛んだとする。
ランナーが3塁に走り,送球がライトから3塁に送られる可能性があるから,このときピッチャーは,3塁側のファールグラウンドまで走ってバックアップをしなければならない。
イチローの2シーズンぶり,前回のエラーから395回,ノーエラーできていた守備機会でのエラーが記録された原因は,ピッチャーがバックアップに入っていなかったことが原因である。
だれかのミスは,だれかのカバーで帳消しにすることができる,それは野球の世界だけとは限らない。
生活指導の場面では,若い教師がやりがちなミスがある。
先日も,部活動の試合でたまたま目にすることができた。他校での話だから,クビを突っ込めないのが歯がゆかったが,適切なカバーがなされたことを祈っている。
同じ学校の中で問題があった場合は,教師はチームで動ける。
「協働」の大切さというのは,こういう「危機的状況」への対応場面で,かつ,成果を残せることで,実感できるものである。
残念ながら,「カバーリング」が望めない場面が教師にはある。
学習指導でのミスを把握できる人が,TTや公開授業などでなければだれもないのが教員の世界である。
アクティブ・ラーニングの宣伝をしている授業の動画で,歴史を学んでいる人ならわかるはずの「誤り」を発見した。
子どもの誤った事実認識を,教師が「それは誤っている」と指摘でないような授業が続くとどうなるか。
責任は,「だって,だれだれさんが教えてくれたのがこれだから」と,教えてくれた生徒のせいになるのか。
学習指導における教師の責任の重さは,相当のものであり,だからこそ,継続的な研修・研究が欠かせないのである。
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