「わからない授業を受けさせること=拷問」は,極論ではない
「声がおかしいから採用試験に合格できないのではないか」
と後輩の心配をしている教師がいる。
どうして合格できないのか。言っていることは正しいかもしれないが,
耳障りな発声がどうしても耐えられない,・・・・のだろうか・・・?
子どもが聞く耳をもたないのは,言っている内容が
お小言みたいな話だからというわけではなく,
ただ声が嫌いだから,という話はきちんと成り立つものである。
しゃがれた大声でわめきちらされては,たまったものではないと
悩んでいる人もいるだろう。
大学生くらいだと大人だから,「近くにいたくはない人」というオーラは出さずに我慢できるはずだが,
高校生や中学生だとそうはいかない。
やかましい声で,自分の言いたいことを押しつけがましくしゃべる授業は,
受け取り方によっては「拷問」「苦役」である。
しかし,どんなにヘンな声でも,
難しい話にも,きちんと耳を傾けて,理解しようとする努力ができない人間を
つくるのは簡単である。
そういう機会を奪えばよいのだから。
荒れがおさまらない学校では,「話を聞かせること」を放棄している教員が多い。
子どもがおしゃべりしまくっている姿の方がまともだと捉える神経を,
国が言い出している資質能力に結びつけるのは無理がある。
そんなこと,現場に出て1年もすればわかるものだ。
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