ルーティンの動きは集中力を高める
プロ野球選手の中に,打撃の前に独特の決まった動きを繰り返す選手がいる。
モノ真似でだれかがわかりやすいから,今ならイチロー,昔は阪神の掛布選手の動きをみんな知っていた。
あの動きの目的は,「焦点を合わせるため」「気分を落ち着かせるため」「集中力を高めるため」などと思っていたが,
実は,たとえばバットのグリップの感触に集中することだけでも効果があることを知った。
すぐ目の前のバットをじっくり見ようとするだけで,たとえば「ヘッドを下げないように」とか,「もし変化球がきたら・・」など未来の余計な予測をしなくてすむ。
「苦手なピッチャーだな」「あの試合も打てなかったな」という過去の雑念も抱かずにすむ。
今,自分が持っているバットの感触,質感,重さに注意を向けることで,「来たボールをただ打っただけ」という感触で弾き返せた,というようなことは,教育の場面ではできないだろうか。
ふりかえると,案外,無意識にやっていたこと,行われていることがたくさんあることに気づく。
子どもが落ち着いて授業に参加し,集中して課題をこなしていく,その最初にあるものは,
「号令,挨拶」だけではない。
「マインドフルネス」という言葉が日本で使われるようになるずっと前から,
私たちはマインドフルネスの実践をしてきた。
読書編で,「脳の休め方」に関する本を紹介するが,日本人はあまりこういう「脳疲労」をもたずに生きてきた国民だったはずだと感じた。
いずれ輸入学問で「脳疲労」という言葉がはやり,そういう感覚をもつ人が出てきてしまうのだろうが・・・。
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