理想=幻想と現実のあいだ~SMAPとEUと教育改革~
ファン心理は除外して,「SMAP解散」による影響を多面的に見てみよう,という課題を出すと,
まずは「経済的損失」あるいは「経済的利益」が目のつけどころになるのだろうか。
もし「解散コンサート」を開くと,どれだけの収入が得られるか?
解散後の各メンバーの収入はそれぞれどのように変化するのか?
事務所の「損害」はどれくらいなのか?
アクティブ・ラーニングの課題を,子どもの興味・関心に応じて設定すると,教師あるいは子どもたちの「調査能力」が課題になる。
「正解を得る必要がない」という安心感が強すぎると,調査などはせずに
「ああでもない」「こうでもない」とただただ想像を口にするだけで終わってしまうから,
まともな資質・能力が育つとは考えにくい。
「おもしろそうな課題ほど,追究場面が困難になったり,追究過程がいい加減になりやすい」ことを教師は経験によって知っている。
だから,「先が見えている課題」ばかりを教室で実践することになる。
「多面的な思考」の具体的な定義はとてもしにくい。
「一面的でなければ多面的といえるか」というとそうでもないし,
ただ多面的に考えてみても,そこに意味や意義が見いだせないと意味がない。
「SMAP」などの芸能人のグループやユニットは,「ファンのためにある」ものなら,
「解散」への圧力を加えたメンバーや周囲の環境は「ファンを裏切る側」になる。
芸能人のグループやユニットでも,「個人の意思が尊重されるべき」ものなら,
ファンが悲しもうが,事務所が困ろうが,恩義がどうとか関係なく,
解散でも別居でも何でもありである。
だれにとっての「理想」なのか。
だれが勝手に「幻想」を抱いているのか。
「言い分」なり「立場」がはっきりしているイギリスなどはとても分かりやすい。
ただ,EUから離脱すべきだと考えている人でも,離脱後にイギリスが大変な状態に陥れば,「後悔」の年に襲われるかもしれない。
これから,「ゆとり世代」の教師たちが中心になって,
「詰め込み世代」の保護者ににらまれながら,
「アクティブ・ラーニング世代」の子どもたちを教育していく時代が来る。
「詰め込み」も解散,「ゆとり」も解散した。
「アクティブ・ラーニング」は,両者の「いいところ」を見事にスルーして教育しないような下策にならないよう,気をつけなければならない。
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