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「よき市民を育成する」「よき主権者を育成する」という発想の誤り

 よき市民・・・たとえば「選挙に出かける」・・・であることからの退却(投票率の低下など)が,

 民主主義の危機の原因であるのではなく,

 むしろ民主主義の危機がもたらした結果である・・・・・。

 こういう解釈ができることは,現実の「政治」の問題を見れば,簡単に理解できることである。

 市民は,民主主義から自ら退却するのではなく,

 「押し出される」ようにして離れている・・・・

 その「押し出す」力とは,具体的にどのようなものか?

>よりよき民主主義を得るためによりよき市民が必要である,などと提案するのではなく,むしろ,よりよき市民となるためにはよりよき民主主義を必要とする,と提案したい。(ガート・ビースタの翻訳本『民主主義を学習する』(勁草書房)より)

 シティズンシップ教育や道徳教育のあり方が,民主主義から将来の市民たちを「押し出す」ものになってしまわないように,訳者のみなさんには「よき市民」としての役割を果たしていただきたいです。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より