教職大学院への志望(勧誘)理由~教員採用試験の一次免除をねらって
教師をめざしていたある大学4年生が,教員採用試験に落ちてしまったので,
教職大学院に進みたい,と私の知り合いの大学の先生に相談していることをお聞きしました。
なぜ教職大学院なのか?と聞くと,
「採用試験の1次に通る気がしない」
「教職大学院には,推薦制度があり,1次免除が狙える」とのことでした。
私はすぐに,1次試験に合格するための予備校に通った方がよいのでは?
と思いましたが,上越教育大学のHPで,教職大学院への勧誘の文句に,
以下のような内容があるのを見つけました。
>学部・修士課程と教職大学院を比較すれば、在籍者数が少ない教職大学院で推薦枠に選ばれる割合の方が高くなります。しかも、上越教育大学の場合、教職大学院の修了予定者の多くは現職院生ですので、これから教員採用試験を受けようとする学卒院生の修了予定者が推薦される可能性は非常に高くなる訳です。
さらに、教職大学院に対する推薦制度が現在増加傾向にあることも有利に働くでしょう。(大学HPより)
推薦制度をエサに勧誘しているようです。
私は,推薦制度に反対したいわけではありません。
今のところ,ごく少人数しか推薦できませんから,
採用する都道府県としては,それぞれの教職大学院が推薦してくる学生のレベルによって,
各教職大学院の教育レベル・学生のレベルもわかります。
「当たり」の確率が大きい大学院は,どんどん「推薦枠」を広げてもいいように思います。
ただ,推薦制度を使ったあまりにも露骨な勧誘姿勢は,後に大学院生間,そして大学院と院生間のトラブルに発展しかねないでしょう。
だれでもわかることです。
明確な推薦基準を公開し,選考結果も開示することが,教職大学院にとっては必須の仕事になるでしょう。
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