小学校でのけんかの代償=7800万円
産経新聞が27日(土)に配信したニュースによれば,柏市の小学校で起きた教室でのけんかで重傷を負った児童が,負傷させた子どもの両親と市に約1億4500万円を支払うよう求めた訴訟で,7800万円を支払う内容の和解合意が成立したとのことである。
市が2730万円を,残りの5000万円余りを加害児童の両親が払うとするのが和解案だそうだ。
市が認める学校側の責任とは,「嘔吐の症状があったのに,病院搬送を怠り,症状を悪化させたこと」だという。
今後,けんかに限らず,小中学校で子どもが頭を打った場合の「救急による病院搬送」のケースが増えるだろう。
また,いつ相手に怪我をさせるかわからない,という「危なっかしい」子どもをもつ親は,怖くて子どもを学校に通わせられなくなってしまうというおそれもある。
どのような障がいが残ってしまう怪我を負わせるのか,また負わされるのか,全く検討もつかない。
子どものけんかというのは,何がきっかけで起るか全く予期できないことが多い。
「おとなしい」としか見られていなかった子どもが,いきなり「爆発」することもある。
子どもたちに何でも「協力し合ってやることがいいことだ」と信じ込ませようとする教育がいかに危険なことか。
小中学校の教師をしたことがない人間には想像できないことだろう。
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