子どもが先生を好きになるタイミング
子どもたちの中には,「いたずら」好きがいる。
「いじめ」が「いたずら」から始まることも多いが,「いたずら」によって子どもたちの関係ができあがる場合もある。
「いたずら」は,「いたずら」された人が「どのような人間なのか」を明らかにしてくれる。
テレビの「いたずら」番組は,基本的に「やらせ」だろう。
「いたずら」を受けた人が,本気で激怒し,番組のディレクターにくってかかっていく場面はさすがに放映できない。
「いたずら」番組への出演を承諾する側のねらいは,「いたずら」への反応によって,
自分への「好感度」をアップさせることにある。
学校でも,「いたずら」を自分自身の「人気の向上」に利用し,あえて「いたずら」される側に立つことを嫌がらない子どもがいるが,この場合,哀しいのは,結局「人気の向上」には結びつかず,自己嫌悪に陥るとともに,「いたずら」した子どもへの復讐心を生んでしまうようなケースである。
実は,教員も「いたずら」の対象になる場合がある。
かつて,「古典的ないたずら」として,チョークの粉をたくさんまぶした黒板消しを入口のドアの上に設置し,教師の頭に落とすようなものがあったが,
さすがにまともな教師はひっかからない。
それでも,まんまとひっかかる教師というのは,生徒に愛される人気者になれる可能性を秘めている。
問題は,「いたずら」にひっかかった後の反応である。
もし,生徒の「悪行」に本気で腹を立てて,「真面目」に指導する教師がいたとしたら・・・・?
実はこの反応は,「正解」の一つである。
教師の「基本的姿勢」を明らかにしてくれる「怒る」という反応は,生徒からの信頼感を高める効果がある。
特に,普段は生徒とふざけた会話を楽しんでいるような教師なら,
「けじめ」「メリハリ」の大切さを教える行為となる。
子どもは,さまざまな理由で,いろいろな方法で,
教師を「好きになろうとしている」「好きになるきっかけを探している」存在である。
「心の広さ」だけを優先していては,生徒になめられるだけである。
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