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最も力や立場の弱い人たちにぶつけられる不満・怒り・攻撃性

 タイトルの内容を目の当たりにできる場は,たとえば学校である。

 力や立場の弱さというのは相対的なものも含まれており,教師の中にも欲求不満のはけ口の対象になってしまう人がいる。

 警察のようにピラミッド型の組織がしっかりしているところは,下に位置していても「そういうもの」として処理できるが,

 子どもが生活する教室のように,本来は「一人一人が平等」「いじめのないクラス」であるべき場が,そうでないときというのは弱い子どもが犠牲になるのである。

 力や立場の弱い人を守るには,どうしたらよいのだろうか。

 「仲間をつくる」・・・こういうアドバイスは,参考にならない。

 立場の弱い子どもの仲間は,強い子どもの仲間たちに容易に取り込まれてしまう。

 立場の強い子どもは,そのバックに同じように立場が強い親がいる。

 立場の弱い子どもでいじめの対象になるのは,親の立場も弱いとわかっている場合が多い。

 「親公認のいじめ」は,「そんなの子どもの喧嘩ですよ」「子どもの喧嘩に親が出て行くのはいかがなものか」「今時の子どものコミュニケーション手段ですよ」「ただの遊びです」などという常套文句のもとに,被害の訴えを封殺する威力を持っている。

 いよいよ学校も監視カメラ常設の時代が来るのだろうか。

 悲惨な犯罪が起るにつれ,人々の「監視社会」への抵抗感が薄れていってしまうのも怖い話である。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より