尾木ママは名誉毀損の罪を犯したか?~その2
北海道での保護者による「子ども置き去り事件」は,幸いにも皆が喜ぶ結果が待っていた。
正直,あきらめていた人たちもいたかもしれないが,気候を含めた幸運にも助けられて,再び日常の生活を取り戻すことができたことは嬉しい限りである。
教育関係者から,心ない憶測の言葉が発せられていたようだが,あまりに多くの「心ない親たちの虐待」に触れすぎてしまっていたためか,親たち一般への不信感が度を超してしまうというのは,実は現場の教師でもありがちなことである。
常に様々な可能性を考え,「最悪の結果」を想定してその対処法も考えておかなければならない立場であると,人間を信用するとかしないとかいう問題ではなく,準備だけは怠れない。
「ひどいことをする親は,強く断罪していくべき」という信念が,「殺人者」という最悪のレッテルを生み出してしまう理由もここにある。
「置き去り」への非難は続けてもよいかもしれないが,謝罪すべきことをしたという自覚があるなら,すぐにでも行動におこすべきだろう。
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