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デジタル教科書の使用が招く学力低下

 私が考えるデジタル教科書の大きな欠点は次の2つである。

 両方とも,電子書籍の欠点と同じである。

 まずは,画面が小さいこと。

 もちろん,タブレットでは指先の操作だけで「拡大」することができるが,拡大すると見える範囲は狭くなってしまう。

 もう1つは,ページをパラパラっとめくりながら,「ここを読みたい」というところにすぐに飛べないこと。

 教科の中には,「他の単元のページに飛ぶ」必要がないものもあるかもしれないが,

 電子辞書と紙の本の辞書との違いのように,必要がない場所も「通過」しながら目に入っている方が,「調べる」活動として優れていると思われる。

 社会科の地理や歴史では,他の地域,他の時代との共通点や相違点を探そうとするとき,1ページ1ページめくるのではなく,20ページごとに内容を比べるなどという作業が必要になったりする。紙の本でないと難しい。

 
 紙の本にも欠点はある。

 大きい,重い,お金がかかる。

 しかし,電気を使わずに読むことができる。


 デジタル教科書の本格的使用が始まると,子どもたちは

 「ノートに書く」という基本的な作業をしなくなるのではないか,という心配がある。


 タブレットの画面上で,「なんとくわかった気になる」だけで,実際には理解しておらず,どんどん授業が進んでいく,という事態も考えられるだろう。

 「ノートに書く」作業を通して,自分がわかっているかわかっていないか,考えることができているかどうかが自分でも判断できるが,電子書籍の利用で,「わかったつもりになる」子どもが増えてしまうことを心配している。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
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  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より