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「アンケート調査」の実態~嘘を平気でついていたと正直に話す子どもたち~

 一つ前の記事でふれた「アンケート調査」だが,私が授業で最初に聞く質問は,

 「今まで,アンケート調査で嘘をついたことがある人!」というものである。

 何人かが勢いよく挙手してくれるおかげで,少し遅れてパラパラと続けざまに手が挙がり,やがてほぼすべての子どもが「嘘をついたことがある」と正直に告白してくれる。

 その内容を聞くと,

 「1日にゲームをどのくらいの時間しますか?」

 という質問には,「あとで怒られたくないから」という理由で「かなり少なめに答えた」子どもが多かった。

 「いじめられていますか?」

 という質問には,「いろいろと詮索されるのが面倒くさいから,いじめられていないと答えた」という子どもがいた。

 そのほかに,

 「とてもつまらない授業を受けたあと,感想を書かされたが,正直に答えて成績を下げられるのが嫌だったから,とても楽しくて参考になったと書いた」という子どももいた。

 まさか,生徒への「アンケート調査」を学術的な論文で使っている間抜けはいないと思うが,

 「教師の求めている答えを答える」習慣を道徳の授業などで自分が鍛えていることに気付けない教師は少なくない。

 裸の王様はいたるところに存在する。

 道徳の教科化によって,このような子どもの行動はより「強化」されていくだろう。

 子どもにとって,「嘘をつくメリットがない」ことがはっきりしているアンケートでないと,その信頼性は極めて低いものであることに気を付けなければならない。


 そして最も胡散臭いのは,ある学習方法の良さを紹介する生徒の感想を載せている本である。

 良いことが書かれているものしか掲載されないはずだし,そもそもそういう学習方法に反対している生徒にはアンケートなど実施しないはずだから。


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  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
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  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
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  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
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  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
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