「研究者としては終わっている」大学のセンセイ
内館牧子著,『終わった人』・・・読むのが怖いタイトルの本である。
これから,毎年何十万人という数の人たちが,「終わって」いく。
ある大学のセンセイは,自分が「研究者としては終わった」ことを自覚しているという話をブログで書いている。
学術論文をどれだけ書き,学会で賞をもらっても,それが何かの役に立っているわけではない。
大学教員の職は手に入れられても,中央に呼ばれて国のために役に立てるわけでもなく,ただ長く自分の居場所を手放さないだけでいることに,満足できなくなっていく。
「本物」にはなれそうもないから,せめて「有名」になろうと努力する。
教育関係の人間の「行きつく先」は,こういうものだということを見せつける。
教科教育の人たちに,喧嘩を売るものの,研究者には,誰からも相手にされない。
話し相手は,現場の教育に困っているセンセイたちしかいない。
こういう「哀れ」な大学のセンセイの末路が,本人だけの悲哀で終わるなら害はないが,
将来,「教員の数が2分の1か3分の1ですむ」という教育の考え方は,全く別の意味で現実味を帯びてきてしまう結果になりかねない。
完全に正反対の意味で。
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