「教師」と「酸素」の共通点
「酸素は猛毒だった」「酸素でやられてしまった生物もいたはずだ」というネットの記事を読んで,「教師」や「子ども」とのかかわりの意味を改めて考えてみた。
私たちにとって欠かせない何かは,それがないと生きていけないが,
私たちにマイマスとなる効果が全くない,というわけではない。
酸素は,ほかの物質との反応性が高く,良くないものに変質しやすい。
人間にも,他に影響を与えにくいかわりに,他からの影響を受けにくい人もいる。
しかし,圧倒的に多くの人は,他からの影響を受けやすい。
影響を与えやすい立場もある。その代表格が「教師」である。
子どもたちにとって,1日の間で,起きている時間の多くを親よりも長く過ごす「教師」たち。
学習指導をはじめ,特に問題が起こった場合には,子どもたちにとって
「酸素」のような存在でありたい。
しかし,「良くない方向への変化」も生み出す可能性があることを心得ておかなければならない。
子ども同士でも全く同じである。
学校では,子ども同士が互いに「相手がいるから自分が発揮できる」という意識をもっていてほしい。
「自分」という「酸素」を吸って,「相手」がよいパフォーマンスを発揮できるような存在でありたいと思える子どもに育ってほしい。
「他力」と「自力」のバランス感覚こそが,学校で育てるべき能力の1つであると思うようになった。
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