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教師の言いなりになる集団がよりよく成長できる集団とは限らない

 教師の言うことをよく聞いてくれる子ども集団と,反発の方が強くて「扱いにくい」集団がある。

 教師が書いている本のタイトルだけを拾い読みしてみると,

 「子どもを思い通りに動かす」コツをまとめているような本まである。

 小学校で教師のコントロール下におさまっていた集団が,中学校でも同じように通用するかといえば,

 全く逆の姿に「成長」してくれる場合の方が多いかもしれない。

 子どもたちは,相当の「無理」を強いられていたことが伝わってくる。

 教師生活も20年を過ぎるあたりから,

 「子どもは大人に反発してこそ成長できる」という実感が強くなっていく。

 他の教師の動きを冷静に見ていれば,

 「自分が子どもだったら,ここでは絶対に反発するな」という場面に出くわせるだろう。

 授業参観をすれば,「こんな授業は寝ていたい」と思うかもしれない。

 落ち着いた状態に見える場合でも,子どもが「気を利かせて」,けっこうな「無理」をしていることがだんだんとわかってくる。

 そうやってたまったストレスや不満のはけ口が,「より弱い立場の者」に向かうのが「いじめ」である。

 考えてみたら,子どもが一致団結して教師に反発してくれていれば,教室内に「いじめ」は起きない。

 教師に対する「いじめ」はあるかもしれないが。

 子どもに嫌われることを気にせずに,ときには衝突してあげることができる胆力は大事である。

 教育の失敗に見えるものが,実は子どもの成長を支える糧になっている=教育の成功に結びついているケースは多いかもしれない。

 中学校2年生なら,荒れているくらいがちょうどいい,なんて,本当に苦労されている先生方には言いにくいことだが,「荒れた後」の姿に大きな変化を見てきた身としては,ぜひ荒波にもまれつつ,転覆せずに航海を続けてくれることを願いたい。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より